前回お伝えしたのは「歯」の構成です。前回の記事はこちら
今回は、その「歯」を支えている組織のお話。
まずは紹介。
- 歯肉
- セメント質
- 歯根膜
- 歯槽骨
この4つを総称して「歯周組織」と呼びます。
【歯肉】(シニク)
歯槽骨と歯を覆っている組織。
一口に言えば「歯茎:ハグキ」ですが、部位により硬さが違ったり、形状が異なります。
それに合わせて名称も分けられてるので、歯周病の話と共に、こちらは次回掲載させていただきます。
【セメント質】
以前の記事で歯の大部分を占める「象牙質」について記載しました。
その象牙質を覆っている組織が2つあり、歯肉から見えてる屋根にあたる部分を「エナメル質」歯肉に隠れた「歯の足」にあたる部分を「セメント質」が覆っています。
60%無機質
25%有機質
15%水分
【歯槽骨】(シソウコツ)
歯が埋まっている骨。「家」が建つための「土地」にあたる部分。「槽:ソウ」という漢字は「オケ」とも読み、水槽のような「桶」や「くぼみ」の事を言います。
つまり、歯が埋まるためのくぼみが「歯槽」
それが「骨」で出来ているため「歯槽骨」となります。
骨は細菌感染してしまうと「骨髄炎」という重篤な炎症を引き起こします。
✳︎ここでは歯周組織の紹介なので骨髄炎に関しての細かい説明は省きますが、「化膿して腫れる」「骨が壊死する」といった重篤な症状になります。
骨は、上記の危機を避けるため、「歯と歯肉の隙間」から侵入してきた細菌を感知(免疫細胞が感知)すると直接細菌に感染されないように、その場から逃げるように下がっていきます。
これが「歯周病で骨が溶ける」という言い回しに変わり、一般的に浸透しています。
✳︎骨はリモデリングといって、年間で約30%が古い骨から、新しい骨へ生まれ変わっているというデータがあります。
ちなみに「骨量」は20代で最大量に達します。
この時
- 「骨を新しく作る細胞」
- 「骨を破壊する細胞」
がバランス良く働いています。
このバランスが乱れると骨粗鬆症のような骨質が弱くなる疾患に罹患します。✳︎骨に関しての注意は「抜歯」のテーマの際に改めて。
全身疾患の話になりましたが、話を口腔内に戻します。
重要なのは汚れがあると、そこにやってきた細菌の影響で、歯を支えている大事な骨がやせてしまうという事です。
すると、虫歯になっていないのに、歯がグラグラしてきて、結果的に「しっかり噛めない」場合によっては「歯を抜かなくてはいけない」ような状態にまで進んでしまう恐れがあります。
✳︎このあたりは、歯を失う二大疾患である「虫歯」「歯周病」について取り上げる際に改めてお伝えします。
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