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隠れた汚れを見逃すな 新井一徳

チャレンジャー: 新井一徳
目標 :一人でも多くの人に健康な歯を(最初のページから読む

磨きにくい部分の掃除法
~スポットブラシ、ワンタフトブラシ~

「磨きにくい=不衛生になり炎症を起こしやすい」部分をなるべく清潔に保つために、本日はワンタフトブラシを取り上げます。

「磨きにくい箇所」と言えば

  • 歯の並びが悪い所(段差がある・捻っている・ガタガタしているなど)
  • 中途半端に生えている親知らず周辺
  • 1番奥の歯の裏側

今回は上記の中から「1番奥の歯の裏側」に注目してみます。

そもそも「1番奥の歯の裏側」ってどこでしょう?

こちらの写真をご覧ください。

一見、目立った汚れはありません
結構歯ブラシを頑張っていらっしゃいます。

では1番奥の歯に近寄ってみましょう。

これが「1番奥の歯の裏側」です。
(✳︎上顎の歯ですが、見やすくするために上下を反転させています。)

この患者さんは歯磨きをサボっているのでしょうか?または、下手なのでしょうか?
いえ、この方は熱心にお掃除をされています。

1枚目の写真でもお伝えしたように、ブラシの届きやすい部分は清掃が行き届いています。
例えば歯科医院に来る前だけしっかり磨いてたとしても、歯肉は正直ですので炎症の度合いから普段のブラッシング状態は把握できます。

結論を言うと、ただ「知らない」のです。

  • そこに汚れがあるという事
  • それをどう掃除すればよいのか

この2点を知れば「歯科医院で検診を希望」しようとする意識のある方は必ずお掃除できるようになります。
言い換えれば、その2点を知らない責任は我々歯科医療従事者側にあると言えます。

「今日もお掃除をしました。少し汚れがついているところもありましたが、おおかた綺麗に磨けています。」

お掃除が済んだあとの伝達事項がこれだけだと、患者さんのブッラシングは、良くて「現状維持」ですので、できたらこれから後述する内容を一緒に確認していただたきたいです。

では、歯ブラシで普段通り磨くと、どのように歯に接触しているのかチェックしていきましょう。

正直普通の歯ブラシでも、ここまで当てられたら上出来だと思います。
それでも歯ブラシの形状上、歯の裏面までは届きにくいです。

そこでワンタフトブラシを使用します。

軽い力でも、しっかり歯面に触れていれば大きな差がでます。

「正しいブラッシングとは!?」というと、長年解けない永遠のテーマみたいですが、

実際は、技術云々というよりも
「対象物・対象部位」に応じて清掃器具を使い分けるという「歯ブラシを短時間で済ませるための効率的な方法」を知っているかどうかが鍵になってきます。

要は歯や歯肉に害のない程度の力で、しっかり「汚れがとれればいい」のです。
これが達成されるのなら「何分時間をかける」という指標はあまり重要なモノサシではありません。

テストの結果もそうですよね。
長時間勉強した人から順に試験に合格するわけではないのと似ています。
今思えば、まさに自分は試験やテストでは、勉強している時間に浸っているだけで「勉強した感」だけを得てたような。
それが結果に結びつかず悩む事も多々ありました。

アクション系のゲームや映画で例えるなら
倒すべき敵(汚れ)に対して有効な武器や装備品(歯ブラシや補助器具)を選択するのと同じです。

患者さんによっては器用な方もいらっしゃいますが、
基本的には今回紹介したように、ただでさえブラシが難しい場所もあります。
ましてや御年配でブラシを思うように当てられない方もいらっしゃいます。

補助器具や、ブラシを使い分ける事は面倒に感じると思いますが、「口腔内を綺麗にする」という観点で捉えると、意外とそれが効率的だったりします。

磨き残し部位は、人それぞれ歯並びや歯の形態によっても異なってきますので、今回気になった方は歯科検診に受診された際に「どこが磨けていて、どこか不足だったか」質問し、今後のブラッシングに役立つ情報を得ていただく事をお勧めします。

あからさまに「磨けてない。」「こんな歯磨きじゃダメだ。」なんて怒り口調で叱られるだけのケースは論外ですが、

ブラッシングのモチベーションを下げないようにするために、褒めてばかりでも、先述したように患者さんのさんの中で現状維持になってしまいます。

もちろん磨きが行き届いていれば、無理にケチをつけることはしません。

ただ、せっかく意識高く口腔内を清潔に保とうという目的で来院されてるので「来た甲斐=今後に活きる情報」を持ち帰っていただきたいです。

出来てるところはしっかり評価させていただきつつ、さらに良い状態を自分自身で維持するための指摘をさせていただけると、本来の目的として掲げた「歯の予防」と「医師・患者間の信頼」につながっていくと考えます

次回以降も補助器具について触れていこうと思いますが、何を使うにしても「ここには必ずこれを使おう」ということはありません。

個人個人の口腔内の状態に応じて合うものを見つけていただければと思います。
是非そのために歯科医師、歯科衛生士に相談してみてください。


この記事を書いた人

新井 一徳

昭和60年 12月7日 群馬出身。日本大学松戸歯学部卒業(24歳)

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