こんにちは、新井一徳です。
前回は「乳歯と永久歯が混在する時期」について触れました。
前回の記事はこちら
「乳歯」ということもあり、ここから数回は歯の基礎的な部分の話でありながら小児期の歯並びの内容も含みます。
様々な角度からどのような処置をするか判断する
さて
この時期のお子さん達には、以下のような主訴が多いです。
- まだ乳歯が抜けてないのに永久歯が生えてきてしまった
- 乳歯がグラグラして痛い
- お友達は前歯が生え変わっているのに、うちの子は まだ乳歯も抜けていない
勿論、痛くて困っている場合は乳歯を抜くのが適切なケースが多いですが
これらに対する治療方針としては「抜く・抜かない」の二択を診断するために「痛いから・痛くないから」だけではなく
- 年齢
- 歯並び
- 顎の大きさ
- 永久歯の状態
- 現在の清掃状態
- 患児の性格(協力性)
など
様々な角度から、その処置の必要性と時期を判断していきます。
いろいろ列記しましたが、上記は、臨床の場での担当医の診断項目ですのでコラムとしては少しずつ、順序立てて把握していきましょう。
歯の全体像について
まず、どのような行程を踏んで、乳歯が抜けていくかを知るために今回は歯の「全体像」について、紹介します。
普段、鏡の前で お口を開けた時に見えている歯はあくまで「歯の頭の部分」です。見えている部分が「頭」であれば歯肉よりも深い部分に隠れている部分は「歯の足」にあたります。
この「足」の事を歯の根っこと書いて歯根(シコン)と呼びます。
写真は歯肉の部分を透明にした模型です。
以前の例えを用いるなら、歯【家】がグラグラしないようにしっかり歯根【土台柱】を骨【土地】に伸ばしている状態です。
と言っても
「建築物の土台柱」というものがなかなかイメージがしにくいと思いますので、歯根に関しては花壇(顎骨)に植えてある植物(歯)が土(骨)の中で根(歯根)を張っていると考えると、わかりやすいと思います。
✳︎歯肉や骨といった、歯の周りの組織(歯周組織)については今後記載していきます。
次回は部位によって違う「歯の名前」と歯によって異なる「足の形」について引き続き、お話をさせていただきます。
まだ回数はかかりますが、だんだん、それぞれの話が繋がってきます。