前回は「コンディショニング(前提となる枠組み・条件づけ・思い込み)」が、自分の考えることや認識できる幅を狭め、盲点(スコトマ)をつくっているという話でした。※前回記事はこちら
今回は、このコンディショニングが、いったいどこでつくられてしまうのか?という話です。
答えを先に言ってしまうと、それは「過去」です。
この「過去」には、自身が経験したことだけではなく、他人の言動をどのように受け止めたかというのも含まれます。
現代の脳科学の知見では、「脳は今の現実をありのまま見ておらず、過去の記憶でモノを見ている」そうです。
人は過去に生きている
ということは、「人は過去の経験や記憶でモノをみる」ことから、
「過去に生きている」とも言えます。
人は何かを判断するとき、「今日ではなく、昨日を基準」にしてしまいます。
「いつもこうだった。だから、これからも変わらない」。
このように、現状が変化しない固定されたものだと思い続ければ、他の可能性が見えなくなります。
例え過去から蓄積された情報が、不正確で事実でなくても、「これから何ができるか」ではなく、過去の情報を判断の基準としてしまうのです。
これは、「放っておくと現状は変わらない」ということを意味しています。
しかし逆に、「現在が永久に続く事はない」のです。
その証拠に、全身の細胞は、三カ月から三年で生まれ変わっていると言われています。
細胞は生まれ変わり続けているのに、自身の考え方や判断は過去にとらわれ、固執し、変化しないというのは、これまたおかしいといえます。
「今日は新しい日」であり、「昨日の自分は他人」であってほしい
ですから、私たち「認知科学に基づくコーチング」を学んだ人間は、
クライアントのみなさまに「昨日の自分は他人」であってほしいと思っています。
過去のとおりに行動し続ける人は、「人生なんてこんなものだ」と思い続け、「今日が新しい日」であることが見えていないのです。
高いパフォーマンスを発揮している人たちにとって、現状は一次的なものでしかなく、彼らは毎日、「新しい日、新しい現実」を築いています。
可能性を閉じ込めるものは、どこにあるのでしょうか?
結局は「あなたの中」にあるのです。
次回は、「【コンディショニング=信念】を変えていくには何が必要か?」ということで、もう一度「ゴール設定」の話に戻りたいと思います。
下記は、前回登場したクライアントさんのお話しの続きです。
「コンディショニングと過去の関係性」について、述べられています。
みなさんも同じく、「過去の経験が今のコンディショニングを決めている」例がないか、ご自身を振り返って頂けたらと思います。
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