前回は「【知好楽】楽しさがあなたのパフォーマンスを最大化する!?」というお話しでした。
※前回記事はこちら
今回は、「【しなければならない】という意識は、あなたのパフォーマンスの最大化を阻む!?」というお話です。
この部分について、拙著「あなたのゴールを達成する!/開拓社」で詳細に記載しましたので、下記に引用したいと思います。
「しなければならない」は自己責任を欠いている状態
みなさんは日々の生活の中で、「しなければならないこと(have to)」はどれくらいあるでしょうか。
例えば、「会社に行かなければならない」「掃除をしなければならない」「洗濯をしなければならない」等々…でしょうか。
この「しなければならないこと(have to)」。
日本の社会の中では、それほど悪い意味には取られてないように感じます。
しなければならないと強制をするからこそ、力を発揮できるのではないか、と思われている節もあります。
しかし、私たち認知科学に基づくコーチングを学んだプロのコーチにとって、実はこの「しなければならないこと(have to)」というのは、「心の中から追い出すべき対象」となっています。
一体どういうことか。ちょっとみなさんに質問したいと思います。
Q.みなさんにとっての「しなければならないこと(have to)」は、「しなくてもよい」のであれば、実行しますか。
みなさんにとっての「しなければならないこと」→ しなくてもよいのであれば、実行しますか。「実行する」or「実行しない」
(例)
・会社に行かなければならない →
・掃除をしなければならない →
・洗濯をしなければならない →
等々・・・どうだったでしょう?
仮に「実行しない」という回答をした箇所があれば、もう一度そのことについて深く考えてみる必要があります。
「もししなくてもよいのであれば、実行しない」ことを、なぜ今「実行」しているのでしょう?
おそらく「しなければならない」の後には「さもないと~だ」というのが続くことが大きな要因の一つでしょう。
「会社に行かなければ、生活ができない」「掃除をしなければ、部屋が汚い」「洗濯をしなければ、着ていく服がない」…というようなことが、必ずセットとして出てくることと思います。
しかし、それは何か外部の要因によって「やらされている」という状態であり、「動機づけ」が「内側」からではなく、「外側」から来ていることを意味しているのです。
人は「他人から強制されたもの」に対して「無意識に反発」します。
例えば、両手でも片手でもよいので、誰かに手のひらをこちらに向けてもらいます。
この相手の手のひらに、自分の手のひらを当てて押そうとすると、相手は「無意識」に反発し、「元に戻そう」とする力が働きます。
これを私たちコーチは「プッシュ・プッシュバック」と呼んでいます。
この場合は、「他人から押された手のひらを、無意識に押し返す」ということでしたが、これを「自分で自分の手のひらを押しているような状態」が、実は「しなければならない(have to)」という状態なのです。
日々の生活の中で、「ああ、これもしなければならない、あれもしなければならない」と思ってやっているものは、「誰か他人から強制されて行っている」ということを意味しているのです。
このことは「創造的回避(クリエイティブアボイダンス)」を生み出します。
「創造的回避(クリエイティブアボイダンス)」とは、「やらなくてもよい理由を創造的に探す」という意味です。
例えば試験前に勉強しようとすると、なぜか机を掃除してしまう行動などがこれに当たります。やらなくてもよい理由を無意識が探してしまうのです。
「プッシュ・プッシュバック」の無意識の力が、創造的回避を生むのです。
別の言い方をすると「しなければならない(have to)」とは自分で責任を取ろうとしていない、すなわち「自己責任」を欠いている状態です。
日本で「自己責任」というと、どこか冷たい印象を持たれることが多いですよね。「自業自得」のような意味合いでとらえられている場合も多いようです。
本人が「自己責任で行う」というのと、他人に対して「これはお前の自己責任な」というのは違います。
自己責任で何かを行った人に対して助けようとしないのは、ただの冷たい人でしょう。
自己責任で行った人を別に助けてもよいのです。
ここでいう「自己責任」とは、「自分で責任を負うからこそ、エネルギーを生む」ということなのです。
~中略~
自分で選んだ、選択した結果だと、「自分で責任を負う」。
だからこそ、エネルギーが発揮されるのです。
他人にやらされている状態、すなわち「しなければならない(have to)」では、自分のエネルギーを発揮するのは難しいといえます。
自分で責任を負っていないからです。
ですから、すべての「しなければならない(have to)」ことを心から追い出し、「したい」「選ぶ」「好む」に変える必要があります。
これはセルフトーク(内声言語)を管理しているともいえますが、自らが「したい(want to)」ことに意識をフォーカスし続けることで「自己責任」を生み、自らの力を発揮するための原動力となるのです。
引用:超一流アスリートのマインドを身につけて あなたのゴールを達成する!
菊池教泰 著