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「第18回」人は同じモノを見ても、違うモノを見ている!?~脳のフィルターシステム~ 菊池教泰

コラムニスト: 菊池教泰
コラム :いつ何時だって最高だ!(最初のページから読む

前回は「あなたがフォーカスしているのは『困難・障害』?それとも『望むゴール』?」というお話しでした。
※前回記事はこちら

反響が大きく、とても励みになりました。お読み頂いたみなさま、ありがとうございます。

今回は、「人は同じモノを見ても、違うモノを見ている!?~脳のフィルターシステム~」というお話です。

盲点(スコトマ)

スコトマとは、もともとギリシャ語で「物理的な盲点」を意味する眼科用語です。

そこから転じて、「心理的な部分も含めた盲点」を指します。

「第3回 できないのは才能がないからではない?~自分の可能性を閉ざしているもの~」

で「人間には盲点(スコトマ)がある」ことを述べました。

この時は「ロックオン・ロックアウト」という視点から、スコトマのことを述べましたが、今回は別の視点から見ていきたいと思います。

脳のフィルターシステム(RAS:ラス)

脳には「RAS:ラス(網様体賦活系)」と呼ばれるフィルターシステムが存在します。

私たちはこのフィルターシステムを通して、「認識する情報の選別」を行っています。

「全ての情報」を認識しているわけではないのです。

この「選別の基準」となるのは、下記2つです。

  1. 知識
  2. 重要性

それぞれ見ていきたいと思います。

1.知識 「知識がなければ、認識できない」

人は「新しく得た情報」を、「過去に得た情報」と結びつけることで、物事を認識します。

ということは、「新しく得た情報」が「過去に全く得たことのない情報(=知識がない)」だと、過去の情報とリンクせずに抜け落ち、スコトマとなって認識できないのです。

日本に初めて来た外国人が、「目の前で鳴っている風鈴」に全く気付けなかったりするのは、この理由によるものです。

逆に「知識があるから、認識できない」ことも・・・

逆に「知識があるから、認識できない」こともあります。

「その情報は既に知っている(=知識がある)」と、過去をベースに「思い込み」で判断してしまい、本当は違っていても、それ以上の情報が入ってこなくなるのです。

大量の情報を処理してしまうと、脳がオーバーヒートするため、このようなフィルターシステムが発達したと言われています。

2.重要性 「自分にとって重要ではないモノは認識できない」

さらに今度は、「自分にとっての重要性」という観点。

今みなさんの目の前には、赤色のモノが何個ありますか?

こんなことを聞かれるまで、「目の前の赤色のモノ」は重要ではなかったので、みなさんの脳のフィルターから抜け落ち、認識できなかったと思います。

逆に私が「赤色のモノが何個ありますか?」と聞いたことで「重要」なものに変化し、フィルターを通り抜けて、認識できたという訳です。

成功したが故のスコトマもある

上記にて、脳のフィルターシステム(RAS:ラス)について述べてきました。

これは、いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちにも、当然あてはまります。

どんなに社会的に成功しても、「成功したが故のスコトマ」が存在するのです。

例えば、スポーツの世界で言われる言葉、「名選手、名伯楽にあらず」。

「選手として大成した人が、必ずしも名指導者になるとは限らない」という言葉ですが、自分が結果を出したが故に、自分が上手くいった方法に固執し、強制してしまう。

「私はこれでチャンピオンになったのだから、これをやりなさい」と。

もちろんこれは、上手くいくための一つの方法でしょう。

しかし、あくまで「一つの方法」なのであって、「他のやり方、その人なりのやり方」があるかもしれないのです。

大事なことは、

「自分には必ず盲点(スコトマ)がある」

と自覚すること。

そうすることで、

  • 一人一人の人間は違っていて、自分と他人は違うということ
  • だからこそ、自分の見えていない盲点(スコトマ)が見えているかもしれない、他人を尊重すること

が大切だということです。

私は「全方位に渡るこころの教育(CSR活動)」を通じ、下記全ての層のみなさまと関わっています。

「人の可能性を最大化させて、成長させる立場」にある各層のみなさまには、相手のためにも、そして自身のためにも、ぜひこの観点をお持ち頂けたら嬉しく思います。

  • 親 → 子ども
  • 教員 → 学生・生徒・児童
  • スポーツ指導者 → スポーツ選手
  • 経営者 → 従業員
  • 管理職 → 部下

この記事を書いた人

菊池 教泰

あらゆるみなさまの心と向き合い、その人らしく輝くための目標達成のお手伝い・サポートを「こころの教育家」として行っている。

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