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マニラでの滞在を振り返る⑥ 宮内勇輝

チャレンジャー: 宮内勇輝
目標 :「ボクシング映画」を2人で脚本、監督、出演で撮りたい(最初のページから読む

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闘鶏

5日目、午前11時。
トレーニングと人生初のスパーリング(体験レベル)を終え、ベンチに座っていると上の階からオーー!という歓声やニワトリの鳴き声が頻繁に聞こえる。
今日はジムの上の階で闘鶏(サボン)が行われている。
闘鶏場はエロルデスポーツセンターで経営している。闘鶏場はマーティンさんの兄であるジュンさんが経営。
以前から気になっていた闘鶏。
観たことなどない。
これは絶対に観に行かなければと思い、
トレーニング終えた身体でそのままふらっと闘鶏場の前まで来た。
日本で言うところの競馬の馬券売り場WINSといった感じだろうか?賭けに来た近隣の人達の様子が似ていて、若干危なさを感じる。
チケット売り場にて入場券を買い、少々緊張しながらも中に足を踏み入れようとした時、後ろから”ユウキ!”と大きな声で呼び出された。

振り返るとそこにはマーティンさんと、ボクサーのマーロンとケニーがいた。
マーティンさんが僕が一人で闘鶏に行ったと聞き、危ないので心配で駆けつけて来てくれたのだった。なんと優しい人なんだろうか。
それに
ジムの関係者なら入場券も要らないと言ってくださったのだけれど、流石にそれは申し訳ないので自分で買ったチケットで入場した。

結果、マーロンとケニーの護衛がありながら場内に入る。

マーロンとケニーが席を見つけ、そこまでの動線を確保してくれる。なんと贅沢すぎるご身分だこと。本当に申し訳ない。

ただ、確かにマーティンさんが心配してくれた通り、中の動線はしっかりと確保されているものではなく、皆自由に席を行き来しているので、容易には入れる場所ではない。闘鶏自体も誰かがルール説明をしてくれるわけでもないのでどうやって賭けるのかもわからない。そんなど素人丸出しの日本人に”そいつは日本人か?俺と賭けないか?”と執拗に絡んでくるおじさんもいた。
本当に一人で来るには難易度が高い場所だった。
結局一人ではどうにもならず、マーロンとケニーの護衛のお陰で執拗に絡んでくるおじさんも回避できた。

そしていよいよ闘鶏を目の当たりにする。
正直言うと、闘鶏は残酷だ。それが一番最初に思った感想。
どちらかがダウンしたら試合終了ではない。もう立てなくなる、つまり死ぬまで闘わせるのが闘鶏だ。
試合の始め方は相撲に似ている。東西に分かれるようにメロン側、ワラ側に分かれて、シコを踏むように何度も試合前に両者を向かい合わせ闘志を高める。
その様子を見てどちらが勝つかを観客は決める。そして時間いっぱいとなったら観客全員が一斉に賭け始める。賭ける相手は近くにいる反対側を賭けている同額の人だ。
もちろん賭けなくても良い。
例えば、
自分がメロン側に300ペソ賭けているならば、”メロン、メロン、メロン”と大きな声で言いながら、指を3本立ててアピールする。
すると、近くにいる人でワラに300ペソ賭けている人が声をかけてくれる。これで賭け成立。試合後に掛け金の受け渡しが行われる。

こんなアバウトな賭け方でよく揉め事が起きないなぁと感心したが、これだけアバウトなやり取りだからこそ、絶対にズルしてはいけないという暗黙のルールがあるようだ。
システムではなく、心情のルール。

試合は何度見ても衝撃的だったが、少しずつ慣れ始めた。

会場が盛り上がるのは一体どんなところなのか?
その根底にはどちらが生きるか死ぬか?という生存本能を掻き立てるものから来ているのかもしれない。
そして、勝った負けたではなく、そこに立ち向かっていく様に会場の人々は大きな歓声を上げる。

根源から生み出されるパワーを感じ、興奮するのだ。

それは、
ボクシングでも同じく。

やはりここにもファイティングスピリットが根づいている。

そして、
それがフィリピンのエンターテイメントにとっても大切な要素。自分にとっても大切な要素。

この後、ボクサー達と昼御飯に行き、夜、ジムの上にある会場での試合観戦へと続く。

今週はここまで。


この記事を書いた人

宮内 勇輝

俳優として人生を賭けた瞬間を演じ切りたい。そして釘付けになるような映画を作る為に奮闘中!

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