脚本はつらいよ
脚本を書いている。
今は脚本1ページずつというより、荒々しくメモに書き出している、そんなイメージ。
主人公の核に迫ってみては物語を書き始め、もっと深く主人公の根幹を掴まないと、と思い直しては書き直して。
主人公が行動するその動機がどのくらい深くから来ているのか?
ただパッとその瞬間思ったくらいという、その瞬間にもその人物の根深い心理が働いていて。
もちろんこんなこと完璧になるまで探り始めたら10年なんてあっという間に過ぎてしまうかもしれない。いや、もっとかもね。それほど人って複雑です。
だから、
主人公が出てくるその瞬間瞬間に主人公の歴史が乗っかるように、そしてその根幹が僕のオリジナリティとどれだけリンクできるかを探っては当てはめてみている。
もうそろそろガツンと掴んで一気に進みそうな気もしていると同時に、何も掴めずに時間だけがただ過ぎていくのでは?という恐怖もある。
こればかりはノリでやっちゃえとはなかなか言えない。もう、それをやって2度ほど撃沈している。
さて、今日もぶつかっていこう。そんな心境。
8.19 石川
8.19。石川県でエロルデジムのジョバンニの試合があった。マーティンさんももちろん一緒。
これは絶対応援に行きたい!と話も盛り上がり、強行突破で石川県へ。しかも車で。
ライアンとリナさんと3人で向かう予定だった。
ジョバンニは第2試合。14時30から第1試合が始まるので早朝から出かけて、来るはずのライアンが寝坊で来れなかったりして少々ハプニングもありながら(笑)ギリギリの到着。
この日は井上尚弥選手の3R公開スパーリングがあり、会場は長蛇の列ができていた。
いよいよジョバンニの試合
控え室へのパスをもらい、マーティンさん、トレーナーのドゥラーノさん、ジョバンニと合流。
試合前のジョバンニはとても穏やかで優しい笑顔だった。
彼はバンテージをしっかり巻いて試合の準備をしている。
昨日、移動に時間がかかってちゃんと眠れてないらしいのだけど、全くもって心配な様子はない。
彼の前歯が差し歯でちょっと不安定なので試合中は取ることになり、間抜けな表情をネタにケタケタと笑っているくらい。
さてそろそろ試合開始直前というところで、仕事で名古屋に来ていたカズさん(エロルデでお会いした日本人の方)がギリギリの到着。
来たかと思えばすぐに準備をしてジョバンニと共にリングへ向かった。
何者なんだ?カズさん。すごい。
いよいよ緊張の一瞬が始まる。
両選手リングへ。
さっきまでのジョバンニはもうそこにはいなかった。
別人のような真剣な表情。
でも、心の中は穏やかなようで荒ぶっている様子は全くない。
試合は1R目から力強い打ち合い。
会場も1試合目との力量の差に思わず声をもらしていた。
途中アッパーが決まりそうになり、観ていた僕はヒヤッとしたが、ジョバンニはなんのその。
ボディとフックで上下に散らして当てていく。負けじと相手も応戦するがガードをしっかり固めて全く怯まないジョバンニ。
その姿はまるで闘牛のように相手に一心不乱に向かっていた。
続く第2R。
ボディが効いてきているようで、完全に優勢だった。相手のアッパーにも対応できて封じている。逆にアッパーも当てていた。
そのままジョバンニの強烈なカウンターボディが決まりダウンを奪う。
だいぶ効いている。そこから一気にまとめてさらにボディを何度も決めていく。弱った辺りでフックも当てにいき、
ジョバンニは完全なKO勝利を収めた。
とてもカッコよかった。
正直、とてもグッときていた。
試合後の様子。
優しきボクサーの闘志
エロルデのみんなは
優しさの中に強さがある。
一体このオーラはどこから来るのだろうか?
試合後、ジョバンニはまるで子供のように走り回ったり、ご飯食べたりとご満悦だった。また歯抜けをネタにケタケタ笑い始めている。
優しきボクサー達の闘志。
純粋な精神が肉体に宿っている。
フィリピンボクサーの強さの根源をもっと深く知りたい。
そして
主人公の根源を知るキッカケにしたい。