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ボクサー達の生きる世界 宮内勇輝

チャレンジャー: 宮内勇輝
目標 :「ボクシング映画」を2人で脚本、監督、出演で撮りたい(最初のページから読む

マニラ再訪2日目。
いよいよ試合当日。
待ちに待ったチームエロルデのボクサー達の試合。仲良くしてもらったボクサー達が4人一挙に試合に出る。

パッキャオ(親戚)、ケネ、アルジャム、エヴァン。

本当はもう1人ロビンも出る予定だったが、試合前にケガで出場不可能になってしまった。

そして今回初めて会ったMJとマルフレッド。
計6人が今回出場するマーティン率いるチームエロルデ。

試合前の選手達は集中に入っていて、穏やかな表情の中に程よく緊張感がある。

きっと内情はもっと蠢いてるに違いない。

リングに立つということは、それくらい一回にかかる重圧が違う。

俳優をやっていて、舞台に立つのと似ていると思って今まで見てきたけど、訳が違う。

もちろん一種のスポーツエンターテイメントであることを考えれば同じ感覚のところもあるだろうけど、

なんといっても”この一回”がその後を大きく左右する。

ショーでありながら”生き残り”が懸かっている。

この生き残りを懸けた闘いが凝縮している世界。これがボクサー達の生きる世界。

勝・敗

今回、結城先輩達はエロルデのプロモーション撮影も兼ねていて、僕とヒロシくんも同行させて頂き、ほんの少しだけお手伝い。
前回訪れたことを覚えてくれていた人達と挨拶を交わしながらも、実際はボクサー達の準備が気になって仕方なかった。
もう他人事ではない。
みんなに勝利を掴んで欲しい。
そう思った。
続々と人が集まり、いよいよ試合が始まる。

結果は
4人勝って、2人負けた。

勝ち負けで言うのは本当に簡単。

どんな理由があれど、この二つ以外何もないのだ。

以前の僕なら、
内容の良し悪しを重視していたかもしれない。

もちろんそこにどれだけ自分が懸けていたか?は非常に重要で、例え負けたとしてもそこに次なる一歩も潜んでいるはずだと僕は信じている。

でも、逆を言えば、
それだけ懸けたのに、と捉えてしまえば精神的なダメージは非常に大きい。

今回、前回の旅で大はしゃぎしていた仲のいいボクサー、ケネが負けた。

ケネの実家に連れて行ってもらった時、ケネのおばあちゃんやお母さん、そして幼い兄弟達はケネを誇りに思っている。今はそこで暮らさぬケネとケネの兄の写真がしっかりと飾られている。

それだけじゃなく、
ケネのフィリピンの友達だってそう。

そして、僕らも。

みんながケネを応援している。

その全てをパワーにしてケネの表情は真剣そのものだった。

一身に背負いすぎたのかもしれない。

きっと優しいケネの事だからこそみんなに喜んでもらいたかったのかもしれない。

だからなのかはわからないけど、

序盤からケネには”リラックスして”という声がかけられていた。

初めてみるケネのボクシングだったから、普段がわからないけど、確かに硬かったのかもしれない。

相手もケネの苦手なタイプだったのかもしれない。

試合後、彼は悔しさを必死に堪えていた。僕の側を通る彼にかけてあげられる言葉はなかった。

身近な友人ボクサーの敗戦。

こんなにもボクシングの一敗が強烈だと感じたのは初めてだった。

極端に言えば自分自身を全部を否定された感じなのだろうか?

その思いを想像するだけでも、
すぐにケネの元へ行き強く励ましたいと思ってしまうのだけど、それはケネ自身がどう捉えるか、ケネ次第。

こちらもグッと抑えてタイミングを待った。

パッキャオ、MJ、アルジャム、エヴァンの4人は勝った。

勝つということは、
相手が負けたということ。

それを受け止めてさらに強くなっていく。

そう長谷川穂積選手がアナザースカイでも語っていた。

ボクシングを体感していくことは、本当想像を絶する。
そして、臆病な僕を強くしてくれている。

その後、いつも通りマーティンさんのバーで打ち上げ。

ケネは頑張って立ち直り、明るく振る舞っていたがやはり、いつもと違う。

試合後なのにケネは僕とヒロシを宿泊先の前まで送ってくれた。

自分はケネのボクシングを信じている。

そう伝え、次に繋がる彼の人生を信じた。


この記事を書いた人

宮内勇輝

俳優として人生を賭けた瞬間を演じ切りたい。そして釘付けになるような映画を作る為に奮闘中!

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