ミーティング
その日はとても重要な日だった。
書き上げたプロットを元に高木監督と結城先輩に読んでもらい、今後のことを話す。
こんな日が来るとわかっていながらも、それはとても不思議な感覚で、夢のような瞬間だった。
それと同時に前日から沸き起こる緊張感。読んでもらっている最中は静かに黙っている。この時間がなんとも言えない時間で、脇汗がタラーっと流れる。
元来ビビリな自分にはとてもヒリヒリとした瞬間であった。
その後、このプロットの改善点を話し合い、具体的な今後のスケジュール、プランなどをじっくりと。途中からヒロシも来てくれて一緒にカレーを食べながら話し合い、次の予定を決めてその日は終了。
もう今年は色んなことがあり過ぎて信じられない。
なんともありがたい夜だった。
いよいよ来年、僕は挑み始めるのだ。
RPGのように冒険の旅が始まるような感覚。
何が起こるかわからない。
だけど、
何があっても最後まで諦めずに作り上げる。絶対に諦めない。
そして、みんなで最高のものに仕上げていきたい。
自分にしか書けないものになるように
ということで、
一度最後まで書いてみたプロットを再考している。何が1番やりたいことか?ずっとそれだけを見て書いてきたのだけど、共有してみると結構脇道に逸れていたり、逃げ道を用意していたり。
作品が力強く味わえるように、どんどんシンプルにしていっている。
こんな風に前向きに書いているけど、正直を言えば、恐くて足がガクガクする時もある。
果たしてこれでいいのだろうか?
自分はこの先これを完成させられるのだろうか?
あまり進めなかった日にはそんなことが頭にチラついて体が重くなる。
気持ちも自然と塞ぎ込んでしまって、外に出ると変な表情してるだろうなと自分を疑ってしまったり。
そんな時、テレビで脚本家の坂元裕二さんのドキュメンタリーがやっていて、それが今の僕には温かく響いた。情けなくも泣いてしまった。
ベストタイミングで観れたんだと思う。
とにかく、一歩一歩着実に、そしていつもよりも素早く前へ進む。
今、自ずと見えてきているシンプルな構想。
このプロットを大きな木の幹だとして、
そこから彫刻で削っていっているような作業。
どんどん型取られていくそのすべてが、自分にしかできない、自分らしい作品になるように、
今日も一つ一つ削り続けている。