新木場、晴天。
駅でヒーロさんとヒロシくんと待ち合わせ。
初めて降り立つ新木場駅。
正直全然覚えてない。
前日の夜から緊張は高まっていた。
とにかく、何を考えても出し切るしかない。そう考えてどうにか寝ることに専念した。
会場に到着。
受付を済ませ、自分の入場曲のCDを渡す。
THE NOVEMBERS 「TOKYO」
を選んだ。主人公の冷たいような青い闘志と重ね合わせた。
それにしても、、、
強そうな奴しかいない、、、
ヒーローさんにアップがてらリングに上がってシャドウしてこいと言われ、リングへ。
周囲に圧倒されながらも集中する。
今まで積み重ねた自分を信じて。
ヒロシくんは9試合目、俺は22試合目。
ヒロシくんは負けてしまった。
尋常じゃない悔しさ。
言葉にできなかった。
グッとこらえて、その分も力にして自分の試合でぶつけようとした。
試合が近づき控え室へ。
ゼッケン番号を見れば対戦相手がわかる。
控え室で初めて顔を合わせる。
特に声もかけずに挑もうとしたら、
相手から声をかけてきた。
これから殴り合う相手と挨拶をする。
だから、それすらも何か探り合いがあり、普通ではない。
その後もアップができるスペースでお互いシャドウをしていた。
どこか身体を温めるくらいの相手に対して、俺は愚直に本気でシャドウしていた。
手の内を見せてでも相手に突進していこう。そう決めていた。
いよいよ、試合が始まる。
入場の瞬間、そこまで緊張はしていなかった。曲が鳴り始めたが使い所のミスで上手くいかなかったが、もうそんなことはどうでも良い。
いざ、リングへ。
1分2Rはあっという間のようでとても長く感じた。1R目でパターンを掴まれたのか、2R目は手を出すのでいっぱいだった。
結果2-0の判定負け。
勝ちと負け、
とてもシンプルだ。
観ている分には、あの時のあれが!など勝因敗因が含まれるが、
リング上の男には
勝ちと負けという結果以外は何もない。
過去はもう二度と戻ってこない。
このシンプルな潔さと残酷さが、
言葉にできない悔しさを与えてくれた。
もちろん、反省点や今後の課題は沢山ある。
だけど、
このシンプルな体験こそが、
何よりも貴重な第一歩となった。