第2漫画「ゴッドハンド輝」
第2回の今回、漫画弁護士である佐藤大和がご紹介したい漫画は講談社の「ゴッドハンド輝」(山本航暉)。
この漫画は、2001年から2011年まで講談社『週刊少年マガジン』で連載していた漫画で、テレビドラマ化までした医療漫画です。
病院を舞台に、新人外科医である真東輝の成長を描き、ゴッドハンドを目指す医療漫画。主人公の真東輝は、患者のためにどこまでも真っ直ぐな医師であり、患者の死に1度も直面したことがないという「絶対的天運」を持ちながら、人間離れした集中力を発揮し患者を救っていきます。
ドジで出来ない医師がゴッドハンドを目指して
この漫画をよく読んでいた時期は、僕が司法試験の勉強をしていたときです。当時の僕は、弁護士になることを夢見て法律の勉強をしていましたが、この漫画を読みながら、自分が弁護士になり、頑張っている姿を想像していました。
また、お恥ずかしい話、僕自身も主人公の輝と同じようにドジなところもあり、さらに自分が優秀でない(出来ない)と思っていたので、出来ない医師であった輝が患者とどこまでも向き合い、必死に頑張ってゴッドハンドを目指している姿に「自分も弁護士になったらこうなりたい!」と思いながら読んでいたのです(笑)
たゆまぬ努力
「ゴッドハンド輝」(山本航暉・講談社・2001年~)
この漫画では、一貫して「努力する過程」が描かれています。もちろん輝は、患者の死に1度も直面したことがないという「絶対的天運」も持っていますが、それに甘えることも頼ることもなく、むしろ、どの患者も死なせたくないと強く思い、どのような難しい手術であっても努力をしながら、成功させます。これは主人公だけではなく、作中に登場してくる天才と言われている医師らも、他の登場人物たちもそうなんです。全員の努力の過程が描かれているのですね。
その姿が、当時の僕(今もですが)にとってどれだけ救われたことか。
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