第4回の今回、漫画弁護士である佐藤大和がご紹介したい漫画は講談社の「DAYS」(安田 剛士)。
この漫画は、2013年から現在まで講談社『週刊少年マガジン』で連載している漫画で、単行本は2017年8月の現在までで23巻となっています。2016年1月にはアニメ化もされ、マガジンのなかの人気連載漫画の一つですね。
【DAYS】第7話「せめて少しでも恩返しがしたい」予告:Anime PONY CANYON
さて、この漫画は、高校サッカーの漫画で、友達もいなく、スポーツからっきしの主人公である柄本つくしが、高校サッカーの強豪である「聖蹟高校」のサッカー部に入部し、そのどこまで真っ直ぐな瞳と心、ひたむきな努力で周りに影響を与えながら、チームメイトと一緒に成長する物語です。
ケタはずれの大バカやろうに
「DAYS」(安田剛士・講談社・2013~)
主人公つくしが入部した聖蹟サッカー部のキャプテンである水樹寿人が、つくしのことを言葉で表したセリフが
「世の中の常識をぶち壊すのは、いつだってああいうケタ外れの大バカやろう」
この主人公のつくしは、立ち回りも下手で、弱々しいながらも、どこまでも優しく、どこまで真っ直ぐで、命をかけて生きる、今までの常識では計り知れないほどの人間です。
でも、こういった人間はすごく強い。今の世の中をみても、世の中を良くも悪くも変えているのは、ケタ外れの人間です。普通の人であれば「このあたりでいっか」「まぁ、上出来でしょ」「こんなもんでしょ」と思うところを、「まだまだこんなもんじゃない」「絶対に諦めない」「かじりついても成功させてやる」という「不器用だけど『普通』を壊し打破する人間」。
それがこの漫画の主人公のつくしなのです。
欲と我は悪なのか?
これは、優しさの塊である主人公つくしが、レギュラー争いについて、誰かを蹴落とすことを躊躇しているときに、親友である風間陣がつくしに対してかけた言葉です。
「欲と我は悪なのか?」
拙著『超楽仕事術』(水王舎)や、10月発売予定である『ゼロから最強の人脈をつかむ後輩力』でも触れたのですが、人間には、
- 形式的な欲求
- 本能的な欲求
があると思っています。この形式的な欲求とは「人のために何かしたい」という欲求で、本能的な欲求とは、「お金持ちになりたい」など自分の中心の欲求です。
僕はこの二つの欲求が大事だと思っています。人間は欲があったから、ここまで成長し、文化も技術も進化したのだと思っています。そういった意味からも、この風間の「欲と我は悪なのか?」という問いかけは示唆に富んでいると思っています。
人間は「強い欲」がなければ、頑張れない。それは一つの真実だと思います。
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