「成功する」の定義は一体なんだろうか。
有名アーティストに多数の楽曲提供をし、ヒットチャートにランクインしたり、Mステや紅白歌合戦で提供曲が歌われる。決して簡単なことではないし、大きな喜びもあるし、とても恵まれた状況と言えるけれど、個人的な感覚としては
「私はまだ成功どころかスタート地点にも立てていない」
と言うのが正直なところだ。
私はシンガーソングライターであるということ
それはどうやら、私自身が「シンガーソングライター」である、という根幹がどうしても揺るがないからのようだ。
運がないのか才能がないのか、シンガーソングライターとしての私は、この16年の活動中に、たびたび大きなチャンスを掴めず、「表がダメなら裏から実力勝負で証明しよう」と作家活動を始めた。
密かに悔し涙を流しながら。
激戦の楽曲コンペを勝ち抜きながらの地道な戦いは、まずまずの成果を出せたと言える。
けれど、心にぽっかり空いた穴が埋まる気配はない。
ここ数年、作家活動中心だった生活から、自分自身の活動も再開し、周りからのアドバイスで一つの残酷な結論が浮き彫りになった。
「しほりは日本では受けにくい」
子供の頃から何かにつけて大人たちに言われ続けたフレーズが、今一度大きな壁として立ちはだかったのだ。
「奥ゆかしさが美しい」とする日本古来の文化から言っても、「守ってあげたいと思うような可愛らしい子」が売れやすい近年のトレンドから言っても、確かに私は全く当てはまらない。
だから日本でちゃんと売ろうとすると決まって「カジュアルダウンしよう」とか「弱そうに見せよう」とか「音楽性をもっと簡単にしよう」とかいう方法が最も手っ取り早くなるのだが、そもそも「バリバリ強そう」な個性なのだから、どんなに取り繕っても無理がある。
活動拠点をアメリカに移す
だったらいっそ、
「国を変えたらどうなのか?」
そうして、2015年11月末
「NYへ行きます!」と宣言し、翌年2月には、一度も行ったこともないNYへと単身飛び立ったのです。
ようこそ、強いものが生き残る弱肉強食の世界へ。
「公開アメリカンドリームプロジェクト」が、始動しました。