はい、もうすぐ37歳になりますが、完璧な初心者です。
そんなことってありますか?
そんなの無理でしょ!
そう思ってたのは、他ならぬ私自身でした。
最初にバレエに憧れたのは5歳。
しかし残念ながら習わせてもらう夢は叶わず、「来世こそはバレエをやろう」と心にそっと閉まったまま、音楽家として長く生きてまいりました。
まさかのきっかけをくれたのは、去年NYで出会った現地のマネジメントからのアドバイス。
「ビザ取得を待っている間にもできることはたくさんあります。パフォーマーにとって基礎的な体を作りあげることは必須ですから、バレエやダンスなどを学んでみてはいかがですか?」
その言葉に私は、ものすごい衝撃を受けてしまいました。
バレエを!!
バレエを学んでいいんですか!?
はい!やります!
やったー!!
5歳の時に抱いた夢がまさか36歳にして「仕事のために」学べるチャンスが来るだなんて、想像してもいませんでした。
「不可能」と決めつけていたのは
ほかならぬ、私自身だったことを、やっと理解したのです。
そんなわけで、まずは4月末、NYにて人生初のバレエクラスに行ってみたのですが、いくら「Beginner class」とはいえ、全く一度も経験がなく通う大人というのは前代未聞だったようで、先生にも「Never!?(一度もないの!?)」と驚かれてしまいましたが、とにもかくにもキョロキョロ見よう見まねで2度受けたところでビザ待ちのため、一時帰国となりました。
いかなる意志をもって取り組むか
基本的な姿勢やスキル、用語もわからないと、かなりの遠回りになるに決まっているので、帰国後、個人レッスンの先生を探して週1で通っています。
毎日欠かさずコツコツと。コンビニのレジ待ちや、人通りの少ない帰り道にも、地味な基礎練習をして約2ヶ月。
ふと気づいたら、「そんな風には絶対曲がらないよ!」と思っていた程度には足が曲がるようになっていて驚きました。
「何歳になってから始めるか」
そんなことよりも
「いかなる意志をもって取り組むか」
の方が、ずっと大事なことなんだな、と実感しながら
今日もえっさえっさと基礎練に励むのです。
一番大事なことこそ、一番地味なのです。