レイ法律事務所代表弁護士の佐藤大和(日本エンターテイナーライツ協会 共同代表理事)です。
日本エンターテイナーライツ協会(ERA)のシンポジウムの準備などでなかなか記事が執筆できませんでした(汗)
ローラ、CM撮影現場で親族と事務所社長が居合せる事態に! 両者の関係に進展か
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171219-00011329-jprime-ent
さて、記事によると、ローラさんのCM撮影現場には、所属事務所のスタッフと個人事務所の社長がそれぞれ来ていたようですね。これが本当であれば、個人的に良い傾向かなと思っております。私は、従前から主張しているとおり、よほどの悪徳事務所(詐欺まがいや暴行脅迫なとがある事務所)ではない限り、事務所側と対立してもメリットがないと思っております。対立関係が長引くと双方ともに疲弊してしまい、何を生み出さないどころか、共倒れの危険性すらあります。喜ぶのは、記事にしたいと思う雑誌やメディアだけでしょう。
一つの解決策として、独立(移籍)する際に、エージェント(営業等)とマネージメントを分けたり、業務提携にして一定程度の報酬を前の芸能事務所に支払いをしたり、移籍金を支払ったり、旧事務所と新事務所との間で芸名に関するライセンス契約をしたりといくらでも円満に解決できる方法があります。旧事務所にも新しい事務所にも配慮した形でまとめるのがベストです。
あとは、このような独立トラブルが起きた際に、上記のような移籍交渉ができる土壌(習慣)と、移籍交渉ができる弁護士がいれば、全員が円満で移籍できるのではないかと思っております。
このように考えれば移籍(独立)トラブルは簡単だと思うのですが、事態をややこしくするのは、感情の対立でしたり、不当な圧力・忖度問題。芸能界は、人間関係を重視し、礼儀や義理を大事にしますが、それを大事にしながらも、もっとビジネス的な要素も入れても良いのではないかと思っております。