私の仕事は、予防法務だと思っています。
予防法務とは、「転ばぬ先の杖」です。
例え今は何の問題もなくても、「もしもの時」に備えて、事前に対策を取っておくということです。
私達専門家は、「もしもの時の備え」をしていなかったことで、主がいなくなり残されたご遺族やペットがまだ悲しみの中にいるのに、多くの解決しなければならない問題に向き合わなければいけない辛い状況になる事を知っています。
そうならない為には、何の問題もない「今」のあいだに「もしもの時」のことを考えなければ「その時」にはできない事の方が多いのです。
自分がお世話できなくなった時に、ペットが置き去りにならない為にはどんな対策を考えておけばよいのか?
① 一時的に預かってくれる施設や人、一生涯面倒をみてくれる次の飼い主または愛護施設を予め決めておき、その為の費用がいくら必要なのかを計算してみる。
② ペットの性格やクセ、食べ物の好き嫌いなど、飼い主しか知り得ない事を次にお世話をしてくれる人の為に、専用のノートを作る。
③ 対策をしている事を、家族に伝えておく
飼い主さんにもしものことがあった時の対策なので、一人で考えていても解決は不可能です。
周りの人を頼り、また対策をしているのなら、その事をちゃんと家族に伝えなければいけません。
自分一人で考えていても解決しないことは、周りを巻き込むことが必要です。
何かしなければと思っていても、何から考え、どうすれば良いのか、そして、最初に誰に相談すれば良いのかわからない人がほとんどです。
また、例えわかっていても、多くの人が健康な時は「対策なんてまだ今は必要ない」と思っています。
それは、何も対策をしなかった時に起きる問題をイメージできないからだと思います。
「今」対策を講じて起こりうる問題のリスクをへらしておくことと、「後」に問題を解決するために費やす、時間・労力・費用との比較が出来ないので、必要だと感じないのだと思います。
これらのことを少しでも多くの飼い主さんに伝えていくこと。
そして、誰かを頼る最初の人、私はその時に最初に思い出してもらえる人になれれば良いと考えています。