前回に引き続き、いま宮城県石巻市で開催中の「Reborn-Art Festival 2017」について書きます。良かったらまずは前回の記事をお読みください。前回の記事はこちら
より分かりやすくなると思います。
What is Art?
【キュンチョメ「空で消していく」より】
ということで、前回の半島編から、今回は市街地にあるアート作品のいくつかをご紹介しながら、「アート」とか「芸術」に関してちょっと考えてみます。
ここで打ち出している目標はあくまで「石巻で演劇祭を半年以内に」。
ただアートの紹介をするのも趣旨が違うので、写真でご紹介しつつ、この場所で演劇祭をやる意味について今回は書きたいなと。
舞台芸術という意味では演劇ももちろんアートですが、「それに何の意味があるの?」って思われがちな分野でもあると思うんですよね。僕らのやっていることって。
Reborn Art Session (櫻井和寿 小林武史)「What is Art?」 MUSIC VIDEO (Full ver.)
生きるために必要なもの、なーんだ?
【クー・ジュンガ「誘惑の迷路, 2017」より】
生きるために必要なものは食。そしてもう少し生きやすくするために必要なものが衣と住。
いわゆる「衣食住」です。これはもう当たり前にあるから、ある事に疑問は感じません。けれど東日本大震災は衣食住をいとも簡単に奪い、それがある意味を僕らに問いかけました。
震災当初は芸術や表現活動に意味なんてないと思い、自分の進んできた道が迷路みたいになりましたが、衣食住が整った後に必要になるものの中には、表現や芸術があるのだと今では確信しています。
い・しょく・じゅう
【SIDECORE「RODE WORK」より】
衣食住がある程度整えば、生きてゆく事はできるけれど、そこに感動とか心の充足とか、もっと言えば愛とか友情を求めるのは人間だからこその営み。お腹いっぱいにはならないけれど、心のどこかが満たされる事で、豊かに生きていくことができます。
音楽を聴いたり、映画を観たりもそう。それがなくても生きていけるけれど、あることで何かが満たされたり、何かに気づかされたり、誰かに優しくできたり、力が湧いたりします。
それを与えてくれるのが「居・職・充」だと思っています。
居・職・充とは
【SIDECORE「RODE WORK」より】
居はコミュニティ。職は仕事。充は心を満たすための何か。
人は誰かに存在意義を認められる事で、誰かの存在意義も認めることができて、そのために必要なのがコミュニティであり、仕事であり、表現なんですよね。ここで記事を書いている方々もみんな、何かを表現して、少なからず自分の生きる意味だったり、他人の生きる意味だったりを肯定しているんじゃないかなあ。
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