タイトルは劇作家/演出家・野田秀樹さんの名作。
多部未華子さん主演、松尾スズキさん演出で話題になった作品ですが、個人的にはもっと昔に上演された深津絵里さん主演の同作が大好きです。
上の写真は農業体験の仕事をしている時のもの。
移住を検討している方々が作業しているのを見て、この作品を思い出していました。
演劇大人
「ノウギョウ、トウキョウそんなに響きは変わらないのにトウキョウはノウギョウに遠い。」
『農業少女』では、こんな言葉遊びのセリフがあるのですが、東京から地方に戻って演劇を開催する自分にとっては、改めて心に響いて来ます。
地方では演劇で食っていける可能性が都会よりも圧倒的に少ない。
だからこそ、石巻を離れて都会に出る若者が多い。
そういう若者たちに、演劇をはじめとする表現の場を提供したいという気持ちもあったから、大人になって戻って来ました。
観劇と感激の響きは同じ
そもそも演劇で食っていけるというか、観客の母体数が東京に比べて圧倒的に少ないのが地方。演劇祭を開催する事は無謀な挑戦のようにも思われますし、よくここで開催するねぇ…などと、よく言われます。
でも演劇って、どんな所でも、誰でもできちゃえる唯一の総合芸術でもあります。
たった一人の演者と、たった一人の観客と、一人分の場所さえあれば、誰かを感激させる事ができるんです。同じ舞台芸術としては「落語」なんかもそうですよね。
むしろ落語の場合、何もないからこそ観る人の想像力に頼り、どんな立場の誰であっても、自分の世界で楽しむ事ができます。
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